Table Dialect
非公式翻訳 (Unofficial translation). これはデータパッケージスタンダードの有志による日本語訳である。 正典は英語原典 datapackage.org 。未訳の箇所は英語の原文を参照のこと。
| Authors | Rufus Pollock, Paul Walsh, Adam Kariv, Evgeny Karev, Peter Desmet, Kyle Husmann, Data Package Working Group |
|---|---|
| Profile | /profiles/2.0/tabledialect.json |
Table Dialect は、表形式データがファイル内にどのように格納されているかを記述する。CSV のような区切りテキストファイル、JSON や YAML のような半構造化フォーマット、Microsoft Excel のようなスプレッドシートをサポートする。本仕様は、単一の JSON 互換ディスクリプタとして表現できるように設計されている。
言語
本ドキュメント内のキーワード MUST、MUST NOT、REQUIRED、SHALL、SHALL NOT、SHOULD、SHOULD NOT、RECOMMENDED、MAY、OPTIONAL は、RFC 2119 に記述されているとおりに解釈されなければならない。
はじめに
Table Dialect は、CSV、JSON、Excel などのさまざまな表形式データフォーマットにおいてデータの相互運用性を確保するために、データ生成者およびデータ利用者が使用できる一連のプロパティを定義する。本仕様の主たる目的は、表形式データの dialect を定義するための共通言語を定義することである。
すべてのプロパティがすべてのデータパッケージ実装によってサポートされることは期待されていない。実装は、関連する機能の一部がサポートされていない場合に、その旨をユーザーに伝えるための最も適切な方策を選択しなければならない (MUST)。
Table Dialect は、複数の dialect の表形式ファイルを扱わなければならない場合があるものの、特定の入力ストリームでどの dialect が使われるかをあらかじめ(out-of-band で)知らされることに依拠できるプログラムにとって有用である。これにより、dialect のヒューリスティックな推論の必要性が低減され、dialect の推論、スキーマの推論、シーク不可能な入力ストリーム、文字エンコーディングの問題、および非常に大きな入力ストリームの遅延読み込みを同時にこなさなければならないリーダーの実装が簡素化される。
ディスクリプタ
Table Dialect のディスクリプタ(descriptor)は、ディスクリプタの定義に従ったディスクリプタでなければならない (MUST)。ディスクリプタに含めることができる標準プロパティの一覧は、プロパティのセクションで定義されている。
Table Dialect ディスクリプタの例:
{ "header": false, "delimiter": ";", "quoteChar": "'"}表形式データのフォーマット
Table Dialect は、区切りテキストファイル、半構造化フォーマット、スプレッドシートなど、さまざまなデータフォーマットに使用できる。一部のプロパティは汎用的で複数のフォーマットに使用できる一方、ほかのプロパティは特定のフォーマットに固有である。
任意のデータフォーマットに適用できないプロパティは無視されなければならない (MUST)。たとえば、SQL データベースにはヘッダー行という概念が存在しない。
簡潔さのため、ほとんどの例は CSV データフォーマットで記述されている。たとえば、Table Dialect プロパティを一切指定しないこのデータファイル:
id,name1,apple2,organeは、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}区切り (Delimited)
区切り (Delimited) フォーマットは、CSV や TSV などのテキストフォーマットのグループである。その特性は次のプロパティで表現できる:
- $schema: デフォルトは
https://datapackage.org/profiles/1.0/tabledialect.json - header: デフォルトは
true - headerRows: デフォルトは
1 - headerJoin: デフォルトは
- commentRows: デフォルトは未定義
- commentChar: デフォルトは未定義
- delimiter: デフォルトは
, - lineTerminator: デフォルトは
\r\n - quoteChar: デフォルトは
" - doubleQuote: デフォルトは
true - escapeChar: デフォルトは未定義
- nullSequence: デフォルトは未定義
- skipInitialSpace: デフォルトは
false
CSV フォーマット向けに適切に定義された Table Dialect ディスクリプタの例:
{ "header": false, "commentChar": "#" "delimiter": ";", "doubleQuote": true, "lineTerminator": "\r\n", "quoteChar": "\"", "skipInitialSpace": true,}構造化 (Structured)
構造化 (Structured) フォーマットは、JSON や YAML などの構造化または半構造化フォーマットのグループである。その特性は次のプロパティで表現できる:
- $schema: デフォルトは
https://datapackage.org/profiles/1.0/tabledialect.json - header: デフォルトは
true - property: デフォルトは未定義
- itemType: デフォルトは未定義
- itemKeys: デフォルトは未定義
スプレッドシート (Spreadsheet)
スプレッドシート (Spreadsheet) フォーマットは、Excel や ODS などのシートベースのフォーマットのグループである。その特性は次のプロパティで表現できる:
- $schema: デフォルトは
https://datapackage.org/profiles/1.0/tabledialect.json - header: デフォルトは
true - headerRows: デフォルトは
1 - headerJoin: デフォルトは
- commentRows: デフォルトは未定義
- commentChar: デフォルトは未定義
- sheetNumber: デフォルトは
1 - sheetName: デフォルトは未定義
データベース (Database)
データベース (Database) フォーマットは、SQLite のようなデータベースからデータにアクセスするフォーマットのグループである。その特性は次のプロパティで表現できる:
プロパティ
$schema
ルートレベルの Table Dialect ディスクリプタは $schema プロパティを持ってもよく (MAY)、それはプロファイルの定義に従ったプロファイルでなければならず (MUST)、本仕様で要求されるすべてのメタデータ制約を含まなければならない (MUST)。
デフォルト値は https://datapackage.org/profiles/1.0/tabledialect.json であり、推奨値は https://datapackage.org/profiles/2.0/tabledialect.json である。
v1 のプロファイルとの具体的な差分(どのプロパティが追加・変更・削除されたか)は変更履歴に一覧がある。
header
Table Dialect ディスクリプタは header プロパティを持ってもよく (MAY)、それはデフォルト値が true のブール値でなければならない (MUST)。このプロパティは、ファイルがヘッダー行を含むかどうかを示す。true の場合、ファイル内の最初の行はデータではなくヘッダー行として解釈されなければならない (MUST)。
たとえば、このデータファイル:
1,apple2,orangeを、この dialect 定義:
{ "header": false}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{field1: 1, field2: "apple"}{field1: 2, field2: "orange"}ここで field1 と field2 という名前は実装固有であり、ここでは説明のためだけに使用されている。
headerRows
Table Dialect ディスクリプタは headerRows プロパティを持ってもよく (MAY)、それは 1 から始まる正の整数の配列でなければならず (MUST)、デフォルト値は [1] である。このプロパティは、ヘッダーの行番号を指定する。複数行ヘッダーのファイルに使用することが推奨される (RECOMMENDED)。
たとえば、このデータファイル:
fruitid,name1,apple2,orangeを、この dialect 定義:
{ "headerRows": [1, 2]}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{"fruit id": 1, "fruit name": "apple"}{"fruit id": 2, "fruit name": "orange"}headerJoin
Table Dialect ディスクリプタは headerJoin プロパティを持ってもよく (MAY)、それはデフォルト値が " " の文字列でなければならない (MUST)。このプロパティは、複数行ヘッダーのファイルが結果として得られるヘッダー行をどのように結合するかを指定する。
たとえば、このデータファイル:
fruitid,name1,apple2,orangeを、この dialect 定義:
{ "headerRows": [1, 2], "headerJoin": "-"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{"fruit-id": 1, "fruit-name": "apple"}{"fruit-id": 2, "fruit-name": "orange"}commentRows
Table Dialect ディスクリプタは commentRows プロパティを持ってもよく (MAY)、それは 1 から始まる正の整数の配列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、どの行をデータから省略するかを指定する。
たとえば、このデータファイル:
id,name#fruits1,apple2,orangeを、この dialect 定義:
{ "commentRows": [2]}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}commentChar
Table Dialect ディスクリプタは commentChar プロパティを持ってもよく (MAY)、それは 1 文字以上の文字列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、行の先頭の文字に基づいて、どの行をデータから省略するかを指定する。
たとえば、このデータファイル:
id,name#fruits1,apple2,orangeを、この dialect 定義:
{ "commentChar": "#"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}delimiter
Table Dialect ディスクリプタは delimiter プロパティを持ってもよく (MAY)、それは文字列でなければならない (MUST)。デフォルト値は ,(カンマ)である。このプロパティは、データファイル内でフィールドを区切る文字列を指定する。
たとえば、このデータファイル:
id|name1|apple2|orangeを、この dialect 定義:
{ "delimiter": "|"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}lineTerminator
Table Dialect ディスクリプタは lineTerminator プロパティを持ってもよく (MAY)、それは文字列でなければならない (MUST)。デフォルト値は \r\n である。このプロパティは、行を終端する文字列を指定する。
たとえば、このデータファイル:
id,name;1,apple;2,orangeを、この dialect 定義:
{ "lineTerminator": ";"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}quoteChar
Table Dialect ディスクリプタは quoteChar プロパティを持ってもよく (MAY)、それはデフォルト値が "(二重引用符)の 1 文字の文字列でなければならない (MUST)。このプロパティは、delimiter をデータセル内で使用する必要がある場合に、引用に使用する文字を指定する。
たとえば、このデータファイル:
id,name1,'apple,fruits'2,'orange,fruits'を、この dialect 定義:
{ "quoteChar": "'"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple,fruits"}{id: 2, name: "orange,fruits"}doubleQuote
Table Dialect ディスクリプタは doubleQuote プロパティを持ってもよく (MAY)、それはデフォルト値が true のブール値でなければならない (MUST)。このプロパティは、データセル内の quoteChar の扱いを制御する。true の場合、連続する 2 つの引用符は 1 つとして解釈される。
たとえば、このデータファイル:
id,name1,"apple""fruits"2,"orange""fruits"を、この dialect 定義:
{ "doubleQuote": true}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: 'apple"fruits'}{id: 2, name: 'orange"fruits'}escapeChar
Table Dialect ディスクリプタは escapeChar プロパティを持ってもよく (MAY)、それは 1 文字の文字列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、エスケープに使用する 1 文字の文字列(たとえば \)を指定し、quoteChar とは相互に排他的である。
たとえば、このデータファイル:
id,name1,apple|,fruits2,orange|,fruitsを、この dialect 定義:
{ "escapeChar": "|"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple,fruits"}{id: 2, name: "orange,fruits"}nullSequence
Table Dialect ディスクリプタは nullSequence プロパティを持ってもよく (MAY)、それは文字列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、null を表すシーケンス(たとえば \N)を指定する。
たとえば、このデータファイル:
id,name1,apple2,NAを、この dialect 定義:
{ "nullSequence": "NA"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: null}skipInitialSpace
Table Dialect ディスクリプタは skipInitialSpace プロパティを持ってもよく (MAY)、それはデフォルト値が false のブール値でなければならない (MUST)。このプロパティは、区切り文字の直後に続く空白の解釈方法を指定する。false の場合、区切り文字の直後の空白は後続のフィールドの一部として扱われることを意味する。
たとえば、このデータファイル:
id, name1, apple2, orangeを、この dialect 定義:
{ "skipInitialSpace": true}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}property
Table Dialect ディスクリプタは property プロパティを持ってもよく (MAY)、それは文字列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、データ構造内でデータ配列がどこに位置するかを指定する。
たとえば、このデータファイル:
{ "rows": [ { "id": 1, "name": "apple" }, { "id": 2, "name": "orange" } ]}を、この dialect 定義:
{ "property": "rows"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}itemType
Table Dialect ディスクリプタは itemType プロパティを持ってもよく (MAY)、それは値が array または object の文字列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、データの property が配列の配列を含むか、オブジェクトの配列を含むかを指定する。
たとえば、このデータファイル:
[ ["id", "name"], [1, "apple"], [2, "orange"]]を、この dialect 定義:
{ "itemType": "array"}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}itemKeys
Table Dialect ディスクリプタは itemKeys プロパティを持ってもよく (MAY)、それは文字列の配列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、itemType が object のデータ配列から行を抽出する方法を指定する。
たとえば、このデータファイル:
[ { "name": "apple", "id": 1, "count": 2 }, { "id": 2, "name": "orange", "count": 5 }]を、この dialect 定義:
{ "itemKeys": ["id", "name"]}と組み合わせると、次のデータを出力するべきである (SHOULD):
{id: 1, name: "apple"}{id: 2, name: "orange"}sheetNumber
Table Dialect ディスクリプタは sheetNumber プロパティを持ってもよく (MAY)、それはデフォルト値が 1 の整数でなければならない (MUST)。このプロパティは、スプレッドシートファイル内のテーブルのシート番号を指定する。
たとえば、このデータファイル:
Sheet 1Sheet 2を、この dialect 定義:
{ "sheetNumber": 2}と組み合わせると、2 番目のシートのデータを出力するべきである (SHOULD)。
sheetName
Table Dialect ディスクリプタは sheetName プロパティを持ってもよく (MAY)、それは文字列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、スプレッドシートファイル内のテーブルのシート名を指定する。
たとえば、このデータファイル:
Sheet 1Sheet 2を、この dialect 定義:
{ "sheetName": "Sheet 2"}と組み合わせると、2 番目のシートのデータを出力するべきである (SHOULD)。
table
Table Dialect ディスクリプタは table プロパティを持ってもよく (MAY)、それは文字列でなければならない (MUST)。デフォルトは未定義である。このプロパティは、データベース内のテーブルの名前を指定する。
たとえば、以下のテーブルを持つデータベース:
table1table2を、この dialect 定義:
{ "table": "table2"}と組み合わせると、2 番目のテーブルのデータを出力するべきである (SHOULD)。
対象外
Table Dialect は、CSV ファイル内のヘッダーやデータの名前・内容・型とは無関係であり(代わりにテーブルスキーマを参照)、それがどのようにフォーマットされているかのみを扱う。ただし、Table Dialect は RFC4180 と同様に、ヘッダーの有無を指定することは許容する。
Table Dialect はまた、CSV ファイルで使用される文字エンコーディングとも直交している。CSV フォーマットのファイルが複数のエンコーディングのデータを含むことが可能である点に注意すること。
参考文献
関連するいくつかの作業は、類似の JSON フォーマットおよび Python の PEP 305 に見られる。